事業再生・経営改善において重要なポイントが、「社長の生計費」です。
よく事業再生計画の相談を金融機関に持ち掛けると「われわれが返済条件緩和に応じるかわりに、社長も報酬を落としてください」とよく言われます。
しかし、必要な家計費を下回る支給にしてしまうといつかは家計が破たんすることになります。
経営者の家計防衛のためには?これもやることは同じ。まずは「見える化」です。
奥様は解っていると思います。毎月これくらいの収入があって、「だいたい足りている」「貯金ができている」「不足」というのは実感でわかると思います。家計簿をつけている奥様はOK!ですがそうでないときは…
これも会社の資金繰りと同じ。見えていることが重要です。もし足りないのなら「どれくらい足りないのか?」…何度も繰り返しますが「足りないにもいろいろある」のです。
しかし、家計簿をつけるのにいちいち手打ちしていたのでは時間が足りません。レシートをため込んでしまい、実際の収支がわかるのが翌々月、というのも意味がありません。
そこでクラウド家計簿です。ここではマネーフォワードをもとに説明します
それぞれ、支払や残高のチェックのためにインターネットバンキングを利用されているケースが多いと思います。幸い、個人口座で入出金や振り込み程度のサービスなら無料で利用できます。
クラウド家計簿もクラウド会計と仕組みは同じです。インターネットバンキングで使用している口座の情報をマネーフォワードに集約し、これは何の支出かをタグ付けし分類していきます。
一度分類した後はその記録に基づいて同じものが出てきたときに分類してくれます。
さらにクレジットカードの使用状況や通販サイトの利用も自動でデータを取ってきてくれます。
アスクルで「コピー用紙」「床磨き洗剤」を発注したようなときには前者を「事業経費」後者を「日用品」と打ち分けることができます。
ここで問題なのは、口座やクレジットカードを通さない支払です。飲食や、カード不可のスーパーなどの支払いはどうすればいいでしょうか。
画像からもお分かりになるかもしれませんが、アプリをダウンロードしたあと、スマホのカメラを使ってレシートを撮影します。すると、店名、日付、品目を読み取ってくれ、データの形で保管してくれます。
このデータはcsvデータに変換してメール送信できますのでPCでゆっくり分析してもいいと思います。(同じ品ならどこが安い?などお買い物の反省ができるのではないかと思います)
そして…さらなる利点は、マネーフォワードにこのデータを連携できることです。つまり、レシレコを使い、レシートを撮影しておけば、手打ちすることなく、買い物データをマネーフォワードに登録することができるのです。
設定でレシートごとに連携、品目別に連携、が選べます。店ごとに使い方が決まっていれば前者、品目が混じるとき(事業用と家事、家事でも食品と日用品が混じるようなとき)は後者を選び、マネーフォワードに取り込むときに科目を指定していきます。
これで家計簿作成=生計費を把握するための手間はほとんどかからなくなるはずです。
マネーフォワードの集計機能を使えば、過去の食費の推移など費目別の推移が一目でわかります。FinTechやAIの恩恵は家計管理にも及んでいるのです。
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